学生向けアパートは、経営者にとって様々なメリットが期待できる特徴があり、長きに渡ってアパート経営における主流のポジションを占めていました。しかし近年では社会情勢の変化などによって、リスクやデメリットに注意を払う必要も出てきています。学生向けアパートの経営にはどのようなメリットおよびデメリットがあるのか、学生向けのアパート経営を成功させるポイントはどんな点か、ぜひ参考にしてみてください。
学生向けアポートならではの特徴、その筆頭に挙げられるのは何と言っても、学生の卒業と入学の時期を控えた2月から3月までの時期に、入居と退去のタイミングが集中するということがあります。これはつまり、事前の準備や対策を行いやすいということ。例えば大学4年生や短大2年生が入居している物件であれば、卒業に伴う退去を見据えて次の入居者募集の準備を早めに行っておくということも容易になります。
学生向けアポートの傾向として、一度入居が決まってしまえば、卒業までそのまま住み続けるケースが多いというのも見逃せないポイントとなります。それこそ前述しました通り、毎年2月から3月までの時期に、退去者と入居者の動向をしっかり見極め入居者募集活動を行えば、空室リスクを少なく抑えることができるというのも、学生向けアパートならではの魅力となっています。
学生向けアパートは、それこそ大学や短大、専門学校などからアクセスがよく、学生向けに適した間取りや賃料に設定されるという場合が多くを占めます。それゆえ、それまで入居していた学生が卒業に伴い退去しても、次年度の新入生を対象として入居募集を効果的・効率的に行えるというのが、社会人向けやファミリー向け物件とは違った、学生向け物件ならではの利点となっています。
学生向けアパートに入居する学生の多くは、地方の出身地から受験を勝ち抜いて転居してくる若者であり、多くの場合、家賃は親御さんや保護者が負担しています。また学生本人がアルバイトなどで家賃を賄うという場合でも、家賃はキチンと払わなければならないと考える学生が多くを占める傾向にあるため、悪質な滞納や踏み倒しなどは比較的起こりにくいと言えるでしょう。
学生向けアパートの物件は基本的にワンルームや1Kといった単身者向けの間取りで統一することができます。ファミリー向け物件のようにリビングや寝室などを広く取る必要はなく、適正家賃の設定は低めとなりますが、その分、より多くの戸数を建築できます。つまりは同じ面積で、より多くの収益を得ることができるという期待も高まります。
学生向けアパートは前述しました通り、学生の卒業と入学のタイミングに合わせて入居者募集などの対策を行いやすいというメリットがありますが、逆に言えば、卒業を機に入居者が退去してしまうというケースが多くなってしまうという傾向が否めません。卒業後も継続して入居してもらうためには、後述するような対策が求められます。
連日ニュース番組などで報道されている通り、少子化に伴う若者の絶対数が減少傾向にあるため、大学や専門学校の経営もなかなかに困難というのが実情。それゆえ、例えば複数の立地に点在していたキャンパスを統廃合したり、各部の縮小や移転、さらには学校そのものが廃校になるというケースも起こり得ます。そうした事態もしっかり見据えておき、可能な限りリスクヘッジを行っておくことが重要です。
学生を対象としたアパートは短大生であれば2年、大学生でも4年周期で入居者が入れ替わることが多く、その分、原状回復のサイクルが短くなり、費用もより多く必要となります。また入居者の入れ替わりが同じ時期に集中する傾向が高いため、原状回復のスケジュールが滞ってしまうという事態も往々にして起こりがちです。
繰り返し述べています通り、学生向けアポートは2月から3月までの時期に、入居と退去のタイミングが集中するので、卒業予定者が入居する物件の次の入居者募集の準備を早めに行っておくということも可能ですが、何らかの事情でそうしたタイミングがずれ、入居者募集に失敗してしまうと、次の新入生募集の期間まで、空室が続いてしまうということも起こり得ます。
例えば有名名門大学がメインキャンパスを構えているというエリアであれば、それこそライバルとなる学生向けアパートは数多存在しており、そうした競合物件との差別化も不可欠となります。それこそその道の専門家である、信頼できる不動産会社に相談し、戦略を練ることが求められます。
学生向けアパートで起きやすいのが、このトラブル。18歳から20歳程度の若者で、集合住宅に住むのが初めてというケースも多く、悪気はなくても騒音やマナーが問題になりやすい傾向にあります。そうしたことを見据えた対策も行っておくべきです。
ワンルームや1Kなどの単身者向け賃貸物件は、学生だけではなく、単身層からのニーズも多いという傾向にあります。また交通の利便性がよいエリアであれば、より幅広い層からのニーズも期待できるでしょう。社会人の入居者を一定数確保できれば、先に触れました、大学の移転リスクへの備えにもなります。
例えば女子大学や女子学生の多い大学や短大にアクセスのよい学生向けアパートであれば、思い切って入居者を女子学生に限定したり、オートロックを完備し防犯性のレベルを高めるといった方策を実施すると、差別化として効果的と言えるでしょう。また家賃は一度下げてしまうと値上げが難しくなるので、例えばフリーレント期間を設けることで入居率向上を目指すといった作戦も考えられます。
あくまでも学生をメインの入居者として想定するのであれば、複数の学校からアクセスしやすい立地にアパート物件を建設するという戦略が有効です。当然ながら入居者を確保できる可能性がより高くなり、大学の移転や廃校に対するリスクヘッジとしても有効です。
学生向けアパートの場合、保護者の方の印象を良くするということも重要な対策となります。言うまでもなく学生さんが入居物件を決める際は、保護者の方の意向に大きく左右されます。建物のセキュリティ体制や共有部分の清掃や整理整頓がしっかり行われていれば、保護者の方の印象はよりよくなるでしょう。
かねてより別体式のバス・トイレやオートロックシステムなどが人気を博していましたが、加えて近年ではオンライン授業やレポート提出などにインターネット環境が重要視されており、フリーWi-Fi、インターネットの無料回線などのニーズが一層高まっています。また宅配ボックスも置き配の盗難防止の観点から、ポイントが高いと言えるでしょう。
以上の通り、学生向けアパートの経営というものはメリットとデメリットが表裏一体。それこそ運よく順調に運営できてきたとしても、今後なにかのきっかけで赤字経営に転落してしまう可能性もゼロではありません。そうした事態を回避するには、やはり信頼できるアパート経営会社に相談の上で、正しい状況分析やライバルとの差別化、リスクヘッジの備えなどを着実に行っていくことが求められます。しっかりと肝に銘じておいてください。
投資目的で
アパート経営を
始めたい
引用元:シノケンプロデュース公式HP
https://www.shinoken.com/
所有する土地で
空室に困らない
アパートを建てたい
引用元:セレ コーポレーション公式HP
https://cel-corporation.co.jp/
※1 参照元:シノケンプロデュース公式HP(https://www.shinoken.jp/apart/)
※2 参照元:セレ コーポレーション公式HP(https://e-cel.jp/) 入居室数÷自社管理戸数
※3 参照元:青山物産公式HP(https://aoyama-chintaikanri.com/kanri/activity)
(2025年2月調査時点)